2ドア仕様の840dのシートベルト挟み込みよる割けと凹みのリペアです。
シートベルトバックルの挟み込みによるダメージは良くあります。シートもドア内張も両方あります。こちらの車両も締め付けを軽減するカー用品が付いていたので戻りが悪く、運も悪く何度か刺さったのだと思います。
若い方などは2ドア車に乗ったことのない方も多いと思いますが、4枚ドアと比べると長く重いため、ドアを閉めるときにかかる力はずっと強いのでこうしたダメージはより大きくなりがちです。乗り降りの体勢が厳しい駐車場もあるのでなおさらやってしまいがちです。バックルの角は丸くなっていますが革シートを割くほどのパワーになりますので注意が必要です。
ちなみに、うちのGRヤリスで出かけたときは遠くても隣に止められないような場所に止めるようにしています。余談でした。
オーダーと完成イメージ
今回は縦に癖のついている部分はそのままにシートベルトバックルによる凹みを自然な範囲でリペアすることがゴールです。走行距離までは記録していませんが、中古車なので何かしらダメージがあるのが普通ということで自然ではないダメージだけ対処していきます。
最上部のところ1か所だけ割けています。それ以外4か所が凹みです。
計5か所の凹みにはパテを入れてます。その前に軽く革を平らにする処置をしてパテを盛る量を少しでも減らそうと試みています。一番下の土星のようになっている部分は、相談の上硬くならない範囲で留めています。破れていたら構うこっちゃなくいくのですが(^^ゞ
パテには数種類ありますが、100℃程の熱で溶着させるものを主に使っていますので密着力があるので小さな部分でも耐久性があります。どれも柔軟性があり革の伸び縮みに自然に追従するものです。つまんでもオリジナルとの違いは分かりにくいと思います。盛りすぎだとさすがにコリコリしてきます(笑)
ちなみに縦に長く入っている部分はしわ伸ばしをやっていますが、内部のウレタンもヘタっているので戻せません。パテ埋めすることもできますが、これは度重なる乗り降りで付いた自然なダメージなのでそのままになっています。パテ埋めすることでオリジナルの表皮は消え失せますのでその辺も仕上がりを決める際の目安になります。
「車両の価格」、「走行距離」からおおよそのリペアの予算を、仕上がりは「売りやすさ」の許す範囲でお店側では判断されているのだと思います。何度もやり取りするうちにお客様のちょうど良いポイントが見つけられてくるのでだんだんと指示が簡素化されがちですが、大事なところは相談しながら進めてます。
コミュニケーションを繰り返すうちに、お店や担当の方の求めるラインがわかってくるのでだんだんとお互いにストレスの少ないやり取りになってくるものと思います。
ちなみに、ついでにやっといてとジャガーE-PACEのシートの塗装も一緒にやらせて頂きました。話をしていたらAfter画像を取り逃したのでBeforeのみ掲載します。
同じ色でいいからとおっしゃっていただきましたが、微調整が必要だったので新たに調色して塗装しています。しわの部分の色が抜けてしまっただけなので塗り込みだけで元通りと言えるくらいになりました。このレベルだと塗ったとは思われないレベルでのリペアが可能です。