2009年(平成21年)式車の5年耐久ガラスコーティング施行車です。効果が切れてから7~8年経過しています。
時の経過によってどうなるかというと…
一見、塗装のクリアコートが剥がれてしまったのかと思う程ザラつき、光沢も無くなります。洗車して改善するわけもなく、粘土クリーナーでこすっても改善しません。
ガラスコーティングは比較的新しいコーティング素材です。熟練のカーディーラーさんでも「これ磨いて綺麗になるかな?」「塗装ダメっぽいよね!?」とご相談を頂くくらいです。超耐久性があるためこれからもっと増えてくるのではないかと考えております。
研磨をしてみました
劣化したコーティングを剥がしたら塗装面が出てきます。塗装面の傷んだ部分も研磨していますので一層キレイになります。クリア剥がれの場合は多少キレイになる部分もありますが、こうはなりません。
ガラスコーティングのデメリット-落とせない…
ガラスコーティングは落とせないわけではありませんが、手作業で落とせるようなものではありません。クリーナーやケミカル剤も私の知る限りありません。新車時や下処理をしっかりしたコーティングほど塗装面にしっかりと付着しているため尚更落ちません。
逆を言えば、5年保証のコーティングが13年たっても塗装面に残っているということです。機能的には完全に劣化し車の見た目を損ねてはいますが、それだけ強力に塗装面に密着しています。
余談ですが…
撥水剤などの影響があるときもあります
ガラスコーティングの劣化に似た症状として、洗車機やスプレー式の撥水剤が重なって劣化していくパターンです。ガラスコーティング施行車であろうとなかろうと関係なく起こります。
こちらは比較的落としやすいのですが、層になっているため洗剤にも限界があり1回では落ちないことも多いです。しかし、こちらはケミカルや手作業で落とすことができます。もし、ガラスコーティング施行車ならキレイになった面はガラスコーティングが再度露出し、そうでなければ塗装面が露出します。
もし、手作業の研磨程度でキレイになるならそれは撥水剤やワックスである可能性大です。
コーティング類劣化の見極め
洗車機撥水の場合
ドアの内側やボンネット、グリル回りなどをチェックして水が流れるところも同じようになっていたりウォータースポットのような拭いても落ちない水あか(のようなかたちのもの)があれば洗車機の撥水の可能性が高いです。
ふき取りをしっかりしていればドアの内側もキレイを保てると思いますが、後から垂れてくる分やそもそも拭き取らないケースもあるため濃い溶剤が固着してしまいます。
しかし、これは手作業の研磨や溶剤でも割と簡単に落とせます。
固形ワックスの場合
固形ワックスの劣化の場合は樹脂やパネルのつなぎ目にワックスの白い粉の塊が残っていることが多いです。固形ワックス施工の場合はドアの内側が綺麗だったりします。自身で洗車・ワックスをすることが多いと思うので当然ですね。
問題としては樹脂部分やパネルのつなぎ目に残っているワックスは固着していることが多く、場所も悪いので落とすのは面倒ですが、これも手作業で解決できます。
過去に見たケースではドアの内側までワックスを塗りたっくたらしく、細かいところが酷いことに…ツワモノでした(-_-;)
ガラスコーティングの場合
ガラスコーティングの劣化はクリア剥がれのような感じや剥がれかけのステッカーのようにボロボロになっていることが多いです。中古車で経緯がわからない場合、リアにボディコートのステッカーが残っていれば疑うことができます。
作業にはポリッシャーは必須です。バフも数種類何枚か持っていないといけません。バフ目に劣化したコーティング剤が詰まり、本来の性能を発揮できなくなり1台分持たないためです。コンパウンドも細目、極細、超極細くらいは揃えた方が良いと思います。
ガラスコーティングの上に撥水洗車跡
私の仕事で遭遇する一番多いのはこのパターンです。そもそも撥水させたいからコーティングを施工されているのですから当然ですね。
洗車機に入れているケースは意外と多い
と、思います。
住環境にもよりますし、軽自動車でも背の高い車も多く洗車難易度は高まるばかりですので当然と言えば当然です。
洗車機洗車であってもドアの内側の拭き上げをする、タオルがボディにやさしいものを使うのであれば、洗車機洗車もありだと思います。ユーザーさんの自由ですから。ただ、保証に関しては別です。
撥水剤の付き方、洗車傷の付き方、ボディの細かいところをみれば、どのように管理されているか作業者はわかります。施工証明書に書かれている洗車方法は手洗いですので洗車機洗車で生じたと思われるトラブルについては保証不可になるのは当然のことだと思います。
なので、保証には注意しつつあくまでユーザーの利便性などで洗車方法を選ぶと良いと思います。
脱線ついでに…
立場による認識違い
「コーティング=撥水」というユーザーの認識と、「コーティング=ボディの保護」という作業者(商品)の認識、「コーティング=売上・利益」という売り手側の意識。それぞれ間違いではありませんが、ちょっと乖離が大きいと思います。
それぞれの立場でしっかり説明したとしても、多少歩み寄るくらいで差が縮まることはなさそうです^_^;やっていてそう思います。なので、私の立場からは下地をしっかり、コーティングを載せて性能はメーカー公表値を頭に入る。でやっていってます。
コーティングのメンテナンスは時々プロに任せましょう!
長くなりましたが、冒頭の写真のようなことにならないよう、時々プロに見てもらうと良いと思います。洗車にしてはちょっと高い…と思うかもしれませんが、コーティングをかけるよりは安いので購入時の輝きを少しでも長続きさせるため、たまにはプロ(ディーラー)でメンテナンスを依頼してみてください(^^♪