10アルファード(MNH10W)
初代アルファードは街中で見かけることも珍しくありませんが、初期型であればすでに発売から20年近くが経っているモデルです。当然、あちこちのガタが来ていてもおかしくないと思うのですが、そこはトヨタ車、なんだかんだ乗れてしまうのだと思います。
うちでは2006年式をデモカーとして持っていた時期もありますのでわかります。カーナビの地図が古いこと以外15年以上前の車とは思えないほど十分な装備があり、運転していても問題なく普段使いできるなと思ったものです。

元デモカーのシートはグレーのアルカンターラでした。
ご依頼の車両は本革とアルカンターラ、色はベージュのコンビシートです。高級感がありつつも、冬は冷たくなく夏は蒸れない良いとこ取り仕様です。
私は「ミニバンは嫌い」と言って歩いているので遠慮なく偏見を申しますが、ファミリーカーの場合好きで本革シートに乗っているわけではない場合も多く必要なメンテナンスがされず酷い状態のものも多く見かけます。エンジンなどの機関の基本的な整備についても同様で、油脂類の交換などが行き届いていない個体も多い印象です。ピットマン時代から何千台、何万台と個体を見て来ての経験からその傾向を強く感じます。
お金を出したオーナーのものなのですから、それ自体は別にいいのですが、修理したり元通りにするのが困難になることが多いので自分で買ったりするときには気を付けるようにしています。
古い車でも高級車や趣味性の高い車のほうが大事にされていたり、再販するときに手をかけられていることも多く、残っている個体としては状態の良いものに当たりやすいのではないかと感じます。変な改造、変なメンテがされていることもありますが(笑)
ようやく本題です。中古車として納車前に前席両側を全体的にリフレッシュして欲しいとのご依頼でしたので予算に応じこちらの判断で作業させて頂きました。
オーナーであれば、ここをこうして欲しいと希望しやすいと思いますが、全体的に傷んでしまっているので販売をする方としては悩ましい状態なのだと思います。費用がお店持ちか、お客様持ちかによっても依頼の仕方が変わってくる印象です。
ということで、私が判断してリペアしております。
助手席




運転席










布部分は粒々除去はサービスです。破れている部分は合皮です。
予算に合わせた作業
予算に合わせたお任せ作業の場合、優先するものを上から並べると
- 作業時間
- マスキングの手間
- 材料の種類と使用量
- その他資材の使用量
- 仕上がり(シボ再現、質感、手触り調整)
になります。状態により最低ラインはありますのでこのアルファードの事例でいうと「1万円で何とか」といわれても残念ながら何もできません。助手席座面のサイドサポートだけでも15,000円~になります。同じ色であれば作業面が増えても「15,000円×作業面数」とはならず、数千円ずつアップしていく感じになります。
メーカー、車種によりある程度傾向はありますが、それぞれ使われ方などの違いからダメージ度合いも違うので、基本的にはダメージ度合いと範囲で料金が決まります。