5年耐久のガラスコーティングは、耐久性がある一方、塗装面との密着も非常に高く、剥がすのは簡単ではありません。
劣化したガラスコーティング
完全に劣化したガラスコーティングはだいたい艶がなく白化し手触りはザラザラしていてルーフ、ボンネット、リアスポイラーなどの上面に集中していることが多いです。見た目はぼやけていて雨染みの塊のようにも見えます。
クリア剥がれ
クリア剥がれは境目がある一方、ガラスコーティングにはそれがないことが多いような気がします。
手触りもクリア剥がれととても良く似ているためとても分かりにくいと思います。
撥水剤と汚れが層になった状態
似ている状態の一つに、洗車機などの撥水コーティングが何層にも付着して落ちない水あか、雨染みができているものがあります。こちらも見た目はぼやけていて雨染み、水あかだらけになっています。違いは、ドアの内側など水の流れるところがもれなく同じようになっていたり、ボディ全体が同じレベルの撥水状態なので見分けられます。
一番の違いは手触りで、この場合は比較的表面は滑らかです。ザラザラしていることはありません。
解決方法は研磨
塗装面に強固に密着しているため研磨剤で削り落とす必要があります。今のところ、ガラスコーティングだけを剥がす溶剤というものは見たことがありません。施工直後や硬化前はあります。
手作業でも可能ですがとても辛い作業ですのでポリッシャーの出番です。ただ、広い面、平らな面は良いでしょうが、ピラーや凹凸のある部分、アールの付いた部分はとても難しいです。
サイズの違う複数のポリッシャーを使い分けますが、そもそもトルクのあるポリッシャーは1台数万円しますのでそれをサイズ違いでとなると2桁万円にはなるでしょう。
対処方法としての誤り~鉄粉付着~
対処方法として、間違いやすいのが鉄粉取り。塗装面がザラザラしているうえ、点々とまるで鉄粉が突き刺さっているかのように見えるため、鉄粉除去をしようと思ってしまいがちです。鉄粉除去は粘土クリーナーなどで数回こすれば必ず滑らかになってくれますが、ガラスコーティングの劣化はいくらこすれどザラザラは解消しません。
作業前に紫に変色する鉄粉除去剤を使用することです。一部分で良いので吹きかけて変色しなければガラスコーティング劣化の可能性も疑ってください。
作業中
右が研磨後、左が研磨前です。明らかに違いがわかります。
これをボディ全面繰り返していきます。
After
塗装の素の状態が現れました。
Before → After
改めて施工前と施工後を見てみると、別の車のようですね。
画像でもわかると思いますが、ガラスコーティング層の除去まではギリギリ屋外でできる作業です。長時間にわたる作業になりますが、気温や湿度、風の影響も考えると更なる美観アップには屋内で均一の光のあるところで行うのがベストです。
何なら、バフとコンパウンドの組み合わせまで変わるくらい施工性が変わります。
私は出張、屋外作業のプロです(笑)感触でバフやコンパウンドを変えて(粒度じゃなくて銘柄)作業を進めていきます。(プロショップの方も修業時代はそうだったと聞きますが)
なぜスイフトがこうなったのか?
ユーザーから聞くことができないので正確な経緯はわからない立場ですが、車の状態を見ると洗車の回数が少ないのが原因だと思います。
私が定期的にメンテナンスをさせて頂いている車ではこうなりませんが、営業車エブリィでは初期症状が出て先日リセット施工をしました。洗車は年3,4回です。人の車ばかりで忙しく・・・
強い洗剤もコーティングを痛めると思います。
メンテナンス方法と、ガラスコーティングの良さ・悪さ
メンテナンス
ガラスコーティングに合わせたメンテナンス剤の使用を推奨しますが、定期的な洗車で汚れを固着させないことがポイントだと思います。ガラスコーティングは劣化しますが、適切なメンテナンスをしていればカタログ上の耐用年数を超えて効果を発揮することもあります。
ガラスコーティングの悪さ
ウォータースポットができやすい(撥水の場合)、メンテナンスが大変というデメリットがあります。リセット・再施工が大変。DIYでできるレベルではなくなる。
ガラスコーティングの良さ
劣化しても塗装面は守られていることは記事内の写真でもお分かりいただけると思います。また、1層厚みが増すことで深い艶、光沢が生まれることも事実です。撥水だけを求める方は、ガラスコーティングよりも3か月程度の耐久性のあるスプレータイプのものを拭き上げ後に使うと良いと思います。
撥水ではなく、親水・疎水という水滴にならない表面処理をした方が良いです。
気楽に楽しいカーライフを♪
リペアと同じでボディがこうなっても何とかしてくれる人達がいます。塗装面が傷めば再塗装すればよいだけです。大体の人は考えすぎです。カーライフを賢く過ごそうとすると楽しさが減るとつくづく思います。考えすぎたり大事にしすぎたりしてイライラしたり・・・
自分だけが楽しく人に迷惑をかけるのは問題外ですが、こうなっちゃったな、どうしようかなと考え、対処するのもカーライフの一部です。
繰り返しますが、何とかしてくれる人達がいますので気楽に楽しくカーライフをお過ごしください♪