リペアというのは中古車や使用中の車がメインのお仕事ですが、時々新車のリペアもしています。ただ、新車で施工ということは納車直前直後のトラブル発生というわけですので当サイトで紹介することはあまりありません。今回のようにアップしたとしても数か月~数年の間隔を置いてます。
中古車業界を取り巻く現状から記事にすることもためらわなくはないですが、リペアの腕が試されるのは間違いなく新車施工です。何しろ、無かったことにするのがゴールです。今回のようにベージュというかグレーというか微妙な色ですので調色の精度も試されます。
技術紹介ネタとしてはこれ以上ないのが新車施行です(笑)
私は頼まれてやるだけですので、新車施工の是非についてはノーコメント。技術を見てもらうのが最大のポイントです。
Before
ほんのちょっとのひっかき傷を直します。ちょっとの作業ですが、マスキングはしっかりやります。
処置
内装パーツのケバケバは①ヒートガンで押し付け均し、②接着剤でくぼんだ部分を埋めます。成形がだいたい完成したら③塗装準備です。
部分塗装で直径10cm程しか塗料を吹かない予定です。
完成
見て頂きたいのが、調色の精度とマスキングテープに残った塗料の少なさ。さっと吹いて終わりが理想です。
色はベージュかと思って作り始めましたが、思ったよりもずっとグレー寄りでした。
部位的にあまり目立たないはずの場所ですが、エブリィは着座位置が高いのでペダル周りは乗り込むときに割と良く見えます。よく見ても施工痕が見つからないのは良くできた証拠?です。
今回は短時間で良くできたほうです😅
ヒートガンでの処置は塗装が前提です。表面を溶かすのでテカテカになります。また、サンディングもシボが消えますので注意が必要です。また、純正色の内装用塗料というのはありませんのでほぼ確実に調色が必要になります。
簡単にできそうでDIYしにくいのがこういったパネルのひっかき傷系のトラブルだったりします。でも色替え前提だったら好きな色の塗料を選んでできますね😄
最後に、元に戻す、直すというのは新品への交換であって、リペアの役割ではないと考えています。今よりも「見た目を良く」「切れ・割れ・破れを補修して機能的に回復する」のが限度です。修復不可能な「施工対象外」という素材や症状もあります。過度な期待はしないでくださいm(_ _)m