42歳の私にステップアップということを思い出させてくれ、意識もさせてくれるカート活動。2023年12月から1年4か月ほどやっていますが、ステップアップの連続です。それでも、毎日のように走っている子と比べたらのんびりペースになります。
ホームコースは1周300mのカートコースになりますが、初めは1周45秒くらいかかっていました。今では22秒中盤。マシンによっては21秒台に入らなければならないところにいます。
ステップアップの一例としてはタイム。45秒くらいで始まったカート練習では39秒台→29秒台と乗るたびに伸ばしていけます。ホームコースには「28秒の壁」というのがあり、止める、曲げるの基本動作ができるかどうか、レコードラインをトレースできるかどうかが一通りできないと超えられない壁です。
その次には、全開で曲げることができなければ出せない24秒台。その先はマシンの整備やセットアップも絡んでくる23秒台…と、これはキッズカートの例ですがマシンが変わってもタイムが変わるだけで大きくは変わりません。
レンタルカート


27秒台まではレンタルでした。うちにとっては27秒の壁でした。メンテナンスもサーキットにお任せなので最低限の荷物で手軽にできるのが良いところ。あまり説明をしなくても一緒に走れば勝手に速くなっていけるマシンです。ただ、マイカート陣には敵わないので、ドライバーのやる気や速さを見て、マイカート移行を決めました。
キッズカート REON K40

初めてのマイカート。小さいですが、最高速は55km程出ているようで、このコーナーも全開で走り抜けるところです。練習では23秒7まで出せていますが、優勝するにはもうひと超え必要です。
キッズカートはカートライフに慣れるための要素が詰まっています。毎週の練習やレースの準備、レースの流れ、整備など。ドライバーの腕次第で結果も良くなるので、子供たちにとって、レースとは、ということを学ぶのに最適なマシンだと思います。
上級者や長年やっている子(ご家庭)は、チューニングがすごくて敵わない世界も垣間見ることができます。ただ、入門要素が強いのでビギナークラスなどでも大変盛り上がるクラスです。始めるタイミングによって習熟度に差がある為、リザルトから見る実力差はあまり当てにならない部分もあります。
ベストを尽くせればステップアップができる良いマシンです。F1レッドブルの角田裕毅選手も乗っていたマシンです。
リカルドカート コマーW60-ジュニアフレーム

ここからがジュニアカートらしい外観でフレームは全日本ジュニアと同じサイズになります。ホームコースでは22秒3まで出ています。エンジンは60cc。エンジンの小ささからコースによってはキッズカートに分類されていますが、ホームコースでは上から2番目、今シーズンは最速のクラスになり68km出ます。コースによっては75kmほど。
トレッド幅が広いのでキッズカートとの乗り分けが必要です。マシンのセットアップも難しくなっていき、レースの結果も左右するほどの差が出始めます。ドライバーとメカニックを鍛える入門マシンです。
タイヤも毎戦新品など、徐々に本格的になっていきます。中古でも良いのですが、NEWタイヤとUSEDとのタイム差が大きくなり勝負にならないので、必然的にNEWタイヤが必要になるということになってます。
ドライバーからも、タイヤがダメ、何がダメと言われ出します。それもこれも成長のあかし。と、言いつつも、大変さは増していきます。
エンジンは農機具用などの汎用エンジンです。キッズカート同様、これはまだレーシングエンジンではありません。ガゼル、micro MAXなどの近いカテゴリーもありますが、これらはレーシングエンジンなのでコマーよりも速いようです。
birel C28 KT100SEC-ジュニアカデット

ジュニアカデットクラスのマシン。小学生で最も熱いクラスです。ついにこれを作ってしまいました(笑)貧乏性なので、色こそ違いますが、同年代のフレームでパーツ流用が効く兄弟車です🤣青が2018年頃、赤が2014年頃と聞いてます。
エンジンはレース専用のKT100SEC。リストリクター1つで性能を落としてありますが、大人になっても使えるレーシングエンジンです。横長のマフラーも付いてきて、スターターも付いているのでドライバーが自分でエンジンをかけて発進します。

フレームのサイズ感としての慣れは十分としても、走らせ方が一気に難しくなっていきます。中途半端なアクセル操作ではすぐに(プラグが)カブってしまうので、しっかりコースを攻められないといけません。また、キャブもドライバーが走りながら自分で調整するようになります。
練習環境もガラッと変わり、全日本クラスの子や大人に混ざって走ることも出てきます。速度域、加速度もガラッと変わるので練習自体の難しさも出てきます。一緒に走れば速くなる…そんなもんじゃない差があります。
もちろん、速い子から盗み取るものもありますが、コーナリングスピードが違うのでそもそも付いていけない。プロになっていくような子はこんなことで苦労はしないのでしょうが、うちはどうでしょう(笑)

速い子で小学2年生からレースにも出ているようですが、5年生くらいが一番強い年代。常に抜きつ抜かれつの展開になり、戦略も必要で、キャブ調整も走りながら行う必要があるため高学年の方が圧倒的に有利になります。
カデットの次は…
カデットを卒業したら大人フレーム(フルフレーム)に移行します。そうなってくると、楽しみでやっている子(ご家庭)よりもプロを目指す子(ご家庭)が大多数を占めてくると思われます。15歳くらいまではカートが主戦場。16歳になるとフォーミュラーに乗り始め、厳しいプロへの階段を上っていくことになります。
最近、キッズカートの先輩である現役F4ドライバー、ラリードライバー、カートドライバーと会う機会が増えています。走りを見ることもありますが、やはり身近にプロドライバーという存在を感じられるのがカートの魅力。鉄の棒を組んだようにしか見えないマシンのなかに、とんでもない可能性を秘めている乗り物です。
日本のスーパーフォーミュラーのドライバーは皆、キッズカートからやっていると言って過言ではない人たちです。世界のF1ドライバーもしかり。
カートにより変わるライフスタイル
家族の生活も一変すると思います。週末は練習、レース、平日はカートの整備や準備など。すべてがカートを中心に動きます。
車が変わる
マイカートを持つと、車が変わります。カートを積める車が必要になるからです。


レガシィからエスティマにチェンジしました。ハイエース・キャラバン勢が多数を占めますが、高い…手が出ません(笑)うちのように車中に積むパターンもありますが、屋根に積む、ヒッチキャリアに積むなどもあります。
携行缶が増える
うちは、5リッター、5リッター、20リッター3個あります。徐々に増えて行ってます。キッズカートは2リッターもあれば1日中走っていられますが、KTは1日10リッター以上使うこともあるのでちまちましていてもしょうがないということで20リッターが追加されました。
ポリミックスタンクも2個あります。
工具が増える
私は20代の頃から整備用工具は揃えているのでメーカーはバラバラながらも業務用レベルの工具を持っています。しかし、車は好きでも弄るまではいかない方も多いので初めて整備用のちゃんとした工具を買う方も多いと思います。
ホームセンターでも買える国産ブランド「KTC」くらいは揃えておきたいところです。
工具は安かろう悪かろうなので、特にメガネレンチやラチェット系は良いものとの差が大きいのでケチらず揃えたほうがいいです。コンマ1秒以内を争う競技です。精度も大事です👆
予定の組み方が変わる
まずレース、次に練習をカレンダーに登録しておきます。マシンが修理中などの時くらいじゃないと普通の買い物などは行けなくなりました。練習前日の夜、仕事終わりには翌日の準備やカート整備などをしています。
学校行事の把握も重要です。ほとんどの親御さんが、運動会よりもレースです。1戦でも休めば0ポイントですから当然ですね(笑)幸い今年度はかぶらなかったのですが、ほかの子は運動会を休んでレース参戦しています。
各地を転戦している子は学校にすら行ってないようです。お子さんの勉強と親御さんの収入源が気になって仕方ないです(笑)
学校行事の対応も野球やサッカーなどの団体競技とは違うところですね。行事無視の姿勢からも先生方から煙たがられたりするのもモータースポーツの特徴なのかもしれません。
とはいえ、ガチ勢というのは学校よりもクラブチームなどの活動の方が重要というケースも少なくないと思うので仕方ないですね。ましてや午前中で終わるお遊戯会的ないまの運動会よりも熱いですし、将来も左右してきますから🔥
キャンプ用品が増える
キャンプとの親和性は高いと思います。テントや作業台、食事グッズなどは使えると思います。簡単なものだと折り畳みの椅子。コースにもよりますが、近くにご飯を食べに行くということもできないようなへき地にあったり、屋根が無かったり電気や水を便利に使うことができない環境もあります。
ただ、周りにはガソリン、オイルがたくさんありますので、火の取り扱いには十分注意を。
家の中も変わる
だいたいのご家庭で同じだと思いますが、パパも車好き。お金のある方はシミュレーターを持っているところもあるようですが、うちには代々プレステとグランツーリスモ、ハンコン(ハンドルコントローラー)があります。
自作のハンコンスタンドで大人から子供まで使っていましたが、カートの運転姿勢には程遠く、泣く泣く子供専用品を導入。


私は遊べなくなりました😭
車好きの知り合いが増える
車業界にいても車好きにたくさん会えるわけではありません。たまたま車業界にいるという人は案外多いもので、好きでやっている人が多いわけではありません。一方、カートやモータースポーツというのは好きな人しかいない場です。好きでもなくやっている人はいるかもしれませんが、少なくともモータースポーツ経験者であることが多いです。
モータースポーツの話題でも盛り上がれます。ドラテクの話でも同じ。ストリートで走っていても自慢できることは少なくなりますが(特に大人になると…)、堂々と料金を払ってサーキット走行をしているわけですのでなんの遠慮もなく話すことができます。
同僚やクラスメイトとは絶対にできないコアな話が大人から子供までノンストレスでできるのもカート場の良いところ。グランツーリスモなどのおかげで車の情報は大体頭に入っていますので年齢も関係ありません。
最後に…
キッズカートからレーシングカートまでのステップアップと、カート活動によってかわるライフスタイルについて書いていきました。
カート活動のきっかけは小4次男のレーサーになりたいという一言からですが、本当は私がラリーストになりたかった…プロのドライバーになりたかった…自動車競技の世界で生きていきたかった…
叶わなかったことを小4次男の活動によって体験させてもらっています。
トータルリペア・アイテックの運営会社はRワークス株式会社。Rの文字に込められた意味…
Repair、Recycle、Reuse…
それだけではなかったのです。
Race、Racer、Racing、Rarry…
カーライフのなかにある自動車競技にも携わる会社でありたい。
そんな願いを込めた会社名。
設立当初は本当にレース活動をするとは思っていませんでした。小さな活動ですが、少しでもカーライフを楽しむ人、家族、子供たちが増えれば良いなと思いながら記事にしています。
いつまで続けられるかはわからないカート活動。少しでも興味を持ってくれる子が増えることを、そして、車業界が今後も明るいものであることを期待してこれからも続けていきたいと思います。