車のコーティングというのは車の美容系作業ですからキレイ系な仕事と思われがちですが、案外そんなこともありません。汚れをいかに落とし、コーティング施工面を作り出すかが重要な仕事です。下処理次第でコーティングの乗りや持ちが変わってしまいますし、最悪の場合は保証期間内にコーティング層が消えてしまうなんてことも…
中古車店でお預かりしてから施工完了まで、裏側をメインで紹介していきます。
お預かり
お預かりした時に放置車両状態…なんとこともよくありますが、大丈夫!下手に触ってしまうよりも綺麗にすることができます。売れるまではある程度きれいな状態になっていることも多いですが、売れたら展示場からバックヤードに移り半月~1か月弱、コーティング屋目線で見ると放置されることになります。
中古車の購入を決めてから納車されるまでの車の流れを知らない方も多いと思いますが、新オーナーさんが書類を用意して車屋さんに提出したりしている間、業者さん作業が続き納車日を迎えることになります。
コーティングはその最終段階。一通りの作業の見通しが立ってから作業日が決まったり、納車予定日に余裕があるときは早い段階で予約して頂いたりしますが、とにかくコーティングは一番最後の仕事です。
今回の車は新古車です。半月から1か月間、またはもっと長い期間放置されていたことにより隅々に汚れやほこり、不純物がたくさん付着してしまっています。黒ずみもあります。新古車だけに簡単にきれいになるだろうと思うでしょうが、グリルのエンブレム下の水垢は通常の洗車では落ちませんでした。(強めに擦っても落ちませんよ)




よく見ると運転席側の方に傾いて駐車されていたことがわかります。こうした小さな気づきが時短するためのポイントだったりします。
私は初期洗車で中性洗剤は使いません。アルカリ性か酸性どちらかを使います。使い分けはケースバイケースですが、車の状況だけでなく、気温や天候に合わせてチョイスしています。
初期洗車が終わったらエアブローもしながら軽く拭き上げます。
次の工程で酸性のスポット除去剤を使います。目に見えない雨染みもだいたい落ちてしまいます。最後にアルカリ系の脱脂剤を使用して塗装面を脱脂します。
初期洗車 → 不純物除去 → 脱脂
この工程で酸性、アルカリ性ともに使用するため、ほぼ完ぺきといえるほどの下地が出来上がります。磨きを入れる場合は不純物除去の後が基本的な作業順序になります。
ちなみに、初期洗車完了時点で「もうコーティング終わったの?」と聞かれるほど見違えますが、同じ洗剤、同じ道具を使ったとしてもプロと素人では違いが出ます💪
洗剤の使い方と流し方
初期洗剤で使う洗剤は大きく分けて2種類ありますが、使い方や流し方が変わります。
アルカリ系洗剤
即効性がありますので、すぐに洗い流してOKです。1台分アワアワにしてから流す必要はありません。濃度調整をする洗剤の場合はボンネットだけ、サイドだけなど区画に分けて洗って流してを繰り返します。
私は汚れに応じて濃度調整をして使用していますが、濃い目の場合はドア1面で流しながら洗車していくこともあります。濃度調整をするタイプの洗剤の場合は洗剤がボディ上で乾いてしまってシミになることがあるので特に注意します。
アルカリ系洗剤の場合、1台分泡だらけにする必要はありません。
酸性洗剤
酸性洗剤全般にいえることですが、ポイントは滞留です。
アワアワの状態でボディ上に滞留させて効果を発揮するタイプの洗剤になりますので、1台分いかに早く泡だらけにし、いかに乾燥させないようにするかの勝負になります。
こちらも濃度調整をして使用していますが、滞留させるのが前提の洗剤なので多少のことでシミになることはありませんが、手早くアワアワにできるに越したことはありません。環境が許せば、ケルヒャー(高圧洗浄機)のフォーマーをつかって一気にアワアワにしてしまいます。
乾きやすい気温や環境の時は追い水をかけることを前提にさらに濃い目にしたり、冬なら何か他のことをして滞留時間を過ごします。
洗い流す時も、浮き上がらせた汚れを掻き出すようにスポンジを使用して泡を流すと良い感じで洗いあがります。
道具の使い方にも一工夫
スポンジ一つを取っても指先から手のひらまですべてを使って洗浄します。面よりも縁の汚れの方が悪目立ちしますので、縁を意識すると洗車の精度が高まります。
拭き上げもなるべく短い時間で済ませたい作業です。私はバスタオルサイズのものを使っています。拭き上げる順番にも工夫をし、撥水性が全く無い面は一番最後にして水滴が多いところを優先的に拭き上げるようにしています。水質にもよりますが、地下水ですぐに白くなるような場合は特にスピード勝負です。
下処理洗車後
お預かりから1時間程度かけて各部を洗浄し、汚れや不純物の除去、コーティング施工前の脱脂まで完了した状態です。








汚れがなくなっただけでなく、しつこくこびりついている付着物も除去することで工場出荷時のような輝きが復活します!
泡を使った洗車はあくまで表面上の軽い汚れの除去に特化したものですが、しつこい汚れは細部に残った水分を拭き取りながら専用のクリーナーで除去していきます。雨染み、水垢(グリルしたの黒い線など)、ミラー下部などの油を含む汚れ、エンブレム周辺、ドア内側など細部を仕上げていきます。
最後に脱脂をしながらチェックをしてここまでの状態に仕上がっています。ハスラーでだいたい1時間です。
鉄粉除去について
鉄粉を除去するタイミングは付着量で工程を変えています。少量なら拭き上げながら行い、大量に付着している場合は水を使っている間に処理をします。
後で水をかけなおすことになると拭き上げ時間が無駄になってしまうのでこのあたりの判断は慎重に行います。乾燥状態から粘土クリーナーを使うこともあります。この場合は専用の潤滑剤を使用しますが、部分的な対応が前提です。水をかけながらやった方が何かと早いので😅
鉄粉が残っているとガラスコーティングの塗り込み時点で引っかかりを感じ気持ちよく作業が進みません。このくらいいいだろうというのが意外と気になったりもします。新古車の場合は新車ほどの状態ではないものの、磨きの必要はない状態の車ですから極力「トラップ粘土」の使用は避けたいので噴霧式の鉄粉除去などを使い処理しています。
ガラスコーティング完了後
下処理ができたらコーティングを塗布していきます。下地ができていれば塗り込み、ふき取りはとても気持ちよく作業が進みます。細部の水滴の拭き上げもできていればより気持ちよく作業が進みます。
出張業者として苦しいのが、乾燥時間や環境を選べないこと。ただし、大変需要がありますのでその中でできる最高の仕上がりを目指して塗り込んでいきます。





出張施工と作業場預かり作業に対応しています
出張施工
千葉県船橋市、鎌ヶ谷市、松戸市近隣を中心に出張施工に対応しています!※東京都内は出張対象外
100V電源、ドアが全開になるスペース、当社営業車(軽バン)駐車スペース(徒歩15秒以内)が必要です。
その他、作業内容によって水道、屋根、壁、十分な明るさのある照明が必要になります。






詳細は出張施工についてをご確認ください。
本社作業場預かり作業
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